春T2016 モーション解説 ②


議題:THW punish those who endorse others not to participate in politics

他人を政治に参加させないよう唆す行為を罰するというちょっと過激な議題です。
脅迫は現状でも犯罪ですので、「政治なんてどうでもいいよ」と明示的に勧める行為が対象になると思います。
(とはいえ、一回言ったくらいでは有罪にならず、しつこい場合や、恣意的に誘導している場合が主な対象になると思います)

肯定側は、「THW make voting mandatory」に近い議論をCJSに絡めながらすることになります。問題意識としては、
「皆のための政治なのに、政治参加しない人を政治システムは観測すらできない」事だと思います。
そこで、投票する気を削ぐ発言が人を政治システムから消滅させることの犯罪性に触れられると思います。
また、実際投票しない所まで至らずともやる気を削ぐので「投票の意思の反映度合い」は下がることになると思います。
これを刑罰化に絡めるために、自殺教唆や扇動罪がanalogyで使えると思います。自殺教唆については、
「投票しないことが政治的自殺である」と上手く説明して立てることができると思います。次に、扇動罪については
特にドイツでは背景がナチス支配への戒めが大きく、ヘイトや民主主義の否定の方向に煽ることを犯罪として扱っています。
このことから、政治参加の少ない世界が如何に民主主義に反しているかを議論することで刑罰化につなげられると思います。

否定側は、「投票しないよう勧める自由」そのものは守りにくいので、表現の自由や、民主主義のそもそもの目的に焦点を
当てるといいと思います。肯定側の議論を突き詰めると、「人々の自由や幸せ」よりも「システムの効用の最大化」が
優先度が高いです。この本末転倒さを指摘し、APが委縮効果によって息苦しい世界であることを説明できると思います。
加えて、投票しないことを悪いと認めても刑罰化するほど悪くないと議論することができます。というのも、権利侵害が
発生しているかは怪しいからです。刑罰がどのような際に設けることが許されているかを議論する際には、不能犯(impossibility defense)がanalogyとして使えると思います。また、投票をしなくても生きていけてハームがないこと
を強く説明することで刑罰化に反対できると思います。