Introduction to BP

筆者: 内山健 (Titech), 二木緑葉 (KDS)

Index

Basic Rules
British Parliamentary Styleの目的: 反対側のベンチに勝ちつつ、同ベンチ内で自分達のチームの優位を示す。
Gov/Oppはいるが、違いは各Sideに2チームいること=競う相手は1チームではなく、3チーム

BPのロールを図に表すと以下の通り。

Opening Government (OG):

Prime Minister (PM)

Deputy Prime Minister (DPM)

Opening Opposition (OO):

Leader of Opposition (LO)

Deputy Leader of Opposition (DLO)

Closing Government (CG):

Member of Government (MG)

Government Whip (GW)

Closing Opposition (CO):

Member of Opposition (MO)

Opposition Whip (OW)

  • プレパ時間は15分
  • スピーチは7分
  • 話す順はPM→LO→DPM→DLO→MG→MO→GW→OW
  • 相手サイドのすべてのスピーカーに対してPOI 可能(1-6分の間)。
  • スピーカーポイントは100点満点で、点数のレンジは50-100。
  • 勝ち負けではなくランク付けによるポイント加算。
  • 1st: 3 pts, 2nd: 2 pts, 3rd: 1 pt, 4th 0 pt

Speaker Roles
Opening Half
PM
モーションをDefine(定義)する。
・Key term(重要で曖昧な言葉)の定義。
-Govのスタンスを明確に
・何を守るのか?
-自分達の主張の優位性を示すポイントを提示。
-発展・完成されたArgumentが必要。
・広く浅くよりも狭く深く。
・AREAを意識
-両サイドの burden of proof (立証責任)を説明してもよい

LO
-PMに対するレスポンス(反論など)
-Oppのスタンスを明示。
・(もしあれば) Counter planを説明
・Definition challengeはできるが、おすすめしない。
-Oppの議論を提示
・相手のケースによる不利益(Harm)など

DPM/DLO
-前のスピーカーに対するRebuttal。
-新たなArgumentの導入。
-適応性・柔軟性が重要。
・プレパノートに縛られず、必要ならばargumentを柔軟に修正・改変する。
-重要なissueをHijack。
・Closing teamに重要なissueを取られないように、重要なissueはすべて説明するように。
・Opening half(ラウンドの前半)を勝つようにする。

Closing Half

MG/MO
-目的: ラウンドの議論を深くし、ディベートを前進させる。
-相手サイドに対するRebuttal。
・MGの場合、OOに
・MOの場合、OGとCGに。優先順位として、重要な議論に対してレスポンスすること。
-新たなExtensionを導入。
・extensionとは、新たなissueの事を出す。
・Extensionがジャッジに取られなかった場合、順位が低い可能性が高い→新しい視点を出すことの重要性。
・すでに出ているissueを大いに発展させることも、Extensionとしてみなされる。
-Extensionを出す際に注意すること
・Example/case studyは、ジャッジによってはextensionではないので、気をつけること。
・自分達のanalysisがopening halfのとはどこが違うのか、明確に差異と優位性を説明しなければならない。
・opening halfと首尾一貫していなければならない。
・opening halfとコントラしてはならない。(knifing)
-もしopeningがしくじっていたら、出来が悪かったら、
・opening が説明するべきだったメインなissueを話す。
・”沈没船を復活させる”(Saving the sinking ship) – ディベートを本来のあるべき姿に戻そうとしたら、それはジャッジに評価される。

GW/OW
-目的: ディベートをまとめつつ、ベンチを守ると同時に、自分のチームが何故勝ったのかを証明する。
・論点をまとめる
・相手チームに反論
・自分のチームだけではなく、opening teamも守る。
-GWの場合、新しいMatterを言うことはできなくもないが、推奨されていない。OWの場合、新しいMatterを言うのは禁止されている
-ベンチを守りつつ、何故パートナーのExtensionが最も重要だったのかを強調する
-まとめる時に重要なのがComparison(比較) - 重要なissueを選択し評価しディベートを整理する。
・”even if” argumentの使用

関連ビデオ

その1

Opening Government

プレパ

1. プレパ時間について

ほんとに15分もプレパできるのか?

教室間の移動やその他色々あるため、結局10分程度しかプレパ時間がない

→時間は効率的に使うことが重要

2. Positioning(立ち位置)・ケースについて

-POV (Point of View)(視点・観点) / Context (背景)

モーションが出されて一番初めに考える事は、「このディベートは何についてのディベートか?」「何がメインなIssueか?」ということ。

-スタンス
ディベートにおいてOGがやらなければならない最も重要な事。OGとして自分達がどの立ち位置にいるのかを明確に示す必要がある。
OGは自分達が何を支持し、何を守っているのかを理解する必要がある。それができなければ他のチームは自分達が何に対して反対しているのかが理解できない。
短いフレーズで表現すると記憶に残るだけではなく、ケースに一貫性があると印象づけられる。

-モーションの種類
Value Judgment
価値観を比べ合うディベート。Policyに落とす必要は無いが、モデルが必要な場合はある。
Policy Debate
政策を議論するディベート。政策の提案のために、具体的なモデルが必須。ほとんどのモーションはGovにある方向に向かって何か行動をする事(Change)を求めているため、モーションを見たら、そのモーションが自分達に何を求めているのかを考える。
Empirical Debate(Fact Debate)
ある事象が正か偽かを議論する。Policyに落とす必要はない。
Govはその事象がどのように正しいのか基準を使って設定し、逆にOppはそれがどのように間違っているのかを証明する。
ex) motion: “THBT Queer eye is good for gay rights movement.” “Queer eye for the straight guy”(米国版おネエMANS) は同性愛権利運動にとって良い影響をおよぼした。
To do: 影響の「良い」「悪い」を測る基準を設定しなければならない。
この場合の基準:”正のステレオタイプ(Gov)か、負のステレオタイプ(Opp)か。
*Gov が定義した「良い」「悪い」の定義が議論の争点となりうる。

-立証責任(burden of proof)
自分の立証責任を余分に増やさない。
ex) THW stop giving aid to Palestine until there are no more settlements.
チームのゴールを「恒久的平和の実現(achieving peace)」にすると立証責任が大きすぎるので厳しい。現実的に「段階的な和平プロセスの促進(leading to achieve peace)」(=プランをとれば、少なくともSQよりはマシ)としたほうが良い。

ケースの種類が、自分達の立証責任を決定する。
自分のケース(AP: After Plan)がどれほど現状(SQ: Status Quo)と懸け離れているのか?物議をかもすケースか?ハードケースにすればするほど、現状とかけ離れている。一般的に、Soft CaseよりもHard Caseを選ぶべきである。
・Hard Case
強み:Principleを守るのも容易となる。ジャッジの印象に残りやすい。多くのポイントが考えやすい。
弱み:コスト(社会的、金銭的)が増す。
・Soft Case
Hard Caseの逆。
コストが低いため実現可能に見えるが、ポイントやインパクトも出にくい。
・Extreme Case
Extreme Caseは選ぶべきではない。Hard CaseとExtreme Caseの違いをイメージするには、新聞の記事を読んでいて「この意見には反対だが、賛成する人の意見も分かる」となるのがHard Caseで「いったい誰がこんな意見に同意するんだ」となるのがExtreme Caseである。
背景(context)によってはSoft Caseもハードに見えることがある。

-モデル
自分達がしようとしている事を相手が理解するにはどれくらい説明が必要か?
モデルを考えるときは、3つの事を考える。
1. 過去に同様の事例はないか?
過去に同じ事例があれば、説明は「~と同じモデルを導入します」という最低限の説明で済まないが、信憑性は高い(人間の脳は過去に起きたことを基本として物事を考えるため)。このアプローチをとる場合、使うモデルの詳細を説明すること。
ex)安楽死を合法化するにあたってオランダモデルを導入します。つまり、。。。
2. 過去に似た事例はないか?
ex) THW ban sites that glorify suicideはTHW ban child pornographyと似ているから、ケースを応用できる。ただし、似ているからといってモデルの説明を省略してはいけない。
3. 過去に誰も行った事のないモデル?→自分で作る必要がある

-Argumentの作り方
一貫性の問題
スタンスとアーギュメントの一貫性を保つためには、スタンスを考えてから、アーギュメントを作った方が良い。
知らないモーションが出てきたときどうするか?
・焦らない
・他のディベートと同様なパターンを探し当てはめる(一つでも質の高い良いディベートをすると、他のディベートでも良いディベートができるのはこのため)

スピーチ
Prime Minister
Context(背景説明)、Definition、スタンスの明示、Argumentの説明を行う。特に、最初の3つはきちんとやらなければ、ディベートの土台がなくなりラウンドが崩壊してしまうため、きちんと行う事。
PMスピーチはマナーも重要。自信があるようにみえれば信憑性も上がる。
やるべきことをきちんとやることが重要なポジション。

Deputy Prime Minister
LOに反論し、PMを守る。重要なことは、自分達のargumentが常にディベートの中心にあるようにみせながら相手に反応すること。即ち、核となる議論を再度打ち出すことでディベートの主導権を取り返すことが重要
“The focus of this debate is…(PM argument)”.
“Opp haven’t responded to…(PM argument)”.
CGは味方ではない。つまり、LOのPMに対するレスポンスが完璧だったとき、DPMがPMのアーギュメントを守りきれなかったら、OGのケースを立てなおす人はいない。するとOGはラウンド中忘れられてしまい、上位には入りずらくなる。(逆にもしDPMが再構築できれば勝てる可能性が一気に上がる。)

CGに負けないためには
・たくさんのArgumentを網羅する。しかし、現在はExtensionの基準が甘くなり、発展しきってないargumentをCGが発展させた場合はextensionされる対象となるのであまり効率的ではない。
・一番根幹で重要なメインなIssueをつかむ。
・CGがPOIで言った話を自分のargumentに組み込む。
・POIする - ラウンド中立ち続ける。OGはどうしても存在感が薄くなりがちなので、POIを与え、取ってもらい、自分達の内容に触れてもらえるよう努力する。

その他
・OGは1位をとるのは難しいが、2位をとることは比較的容易。
・当たる相手によっては、「2位を狙う」と考えるより、「4位を取らない」と考えた方が良い。0点はなるべく避けること。

関連ビデオ

その1 (part 1) その1 (part 2)
その2

Opening Opposition

プレパ

OOの最も重要な役割

-Opp側のケース(自分達は何を守ろうとするのか?)を考える

-Clash(争点) を考える―ディベートは後半にいけばいくほど争点が明確になる。特にBPの場合は重要な争点がClosing Halfで議論しやすいため、Opening Halfの印象が薄れることが多くなる→最初から明確な争点をつくることが大事。

ときにはディベートの枠組み(framework)を変えることも必要。Govが「このディベートはX についてのディベートです」→Oppが「いやこのディベートはXではなくYについてのディベートだ」

Ex) THW ban tobaccoで、govは、”this debate is about public health”と言ってきたら、oppは”this debate is about the choice of individuals”というふうに、ディベートの違う見方を自分たちに有利なようにジャッジに見せる。

スピーチ
LO
-Opp側のスタンスを提示する
-(もしあれば)Counter proposal, definition challengeの説明。ただしDefinition challengeは、いくらGovのDefinitionがひどくても、なるべくしないこと。
-Argumentに対する反論
-ポイントの説明

DLO
-Opp側のスタンスの再確認
-GovのArgument/Responseの対応
-ポイントの説明

レスポンスに関する戦略
-以下の事を考える
・立証責任/ケースライン(自分達がどういう考えを守ろうとしているのか?)
・因果関係について(modelはroot causeを解決しているのか)
・Govの主張のどこと同意してどこと反対するのか?Govの主張のすべてに反対する必要はない。
・Govと反対しているところを中心としてArgumentを使っていく。
・訳の分からないDefinitionでもReasoningで勝つようにする。
-Definitionがない/不服がある時は?
モデルに対して疑問をぶつけてもいいが、feasibilityがissueになるぐらい時間を割くのは良くない。

その他
・PMスピーチ中の心構え―PMスピーチの最初の2-3分はあまり書かずGovが何を言うのか聞きGovのメインなissueを把握する。
・Definitionに関して理解できないことがあれば、POIをすること。

関連ビデオ

その1
その2

Closing: Extension

Extension speakerの意義

BPにおいてベンチの両チームは連立を組んでいる政党のようなもので、大まかに同意見であるものの選挙においては票を取り合わなければならない。BPにおけるClosing HalfはそれまでのOpening Halfのディベートを受け、それを評価しつつも、自分たちも議論をし、なおかつラウンドを深化させしなければならない。よってClosing Halfはただ単に「新しい事」ではなく

「新しくかつ重要な事」

をディベートに持ち込む責任がある。

Extensionとは何か?
-New Argument―新たな視点、新たなActorの分析
-より深い分析―Opening halfの分析とどこが違うか差異を明確にする。
-ディベートの新たな枠組みを提示。Knifingしないように注意
-より良いExample。しかし、Example単体だけではExtensionとは取られにくい。
-前提(premise, assumption)を説明する―Openingが説明していなかった前提条件は何か?
-Response, Rebuttalもextensionに見せることができる (ex. OOがModelのNecessityがないと証明し、OGがこれに対してレスポンスをしていなければ、CGのExtensionは、何故ModelがNecessaryなのかをextensionの形で説明することができる)

Extensionを出すとき、以下の事を考える。
1. 自分が話している内容のどれくらいがOpening Halfから受け継がれ借りたものか?
2. 自分がディベートに持ち込んだ新たな価値は何か?

Memberが抱える悩み
1. OGがしくった。あまり良くないOpeningの場合。
-Openingが言ったこと全てに同意する必要はない。
Opening「五歳児は性交渉する権利を有するb/c同意できるから」…え?ジャッジも馬鹿じゃない。
-Opening sideを守るよりも、自分達の新たな議論に注力する。
-ラウンドで勝つのは最も道理の通っているチームである。
-プランのメカニズムで足りない箇所を補う。

2. OGが全てのargumentを持っていって、もう喋ることが残ってない場合。
-このケースの場合、やらないといけないことを要約すると”Turning Shit into Gold”―つまり、小さい事・ダメなものをいかにうまく見せるか(フレームワーク、インパクト等を利用して)
-どんな場合でも必ず何か残っているもの - まずは落ち着くこと。
-自分達のArgumentを目立たせる。厳密なジャッジもいるので、”My extension is…”のようにラベルし、どこからが自分達のextensionなのかをジャッジに明確に伝えたほうが良い。

3. 自分のチームを他のチームと差別化するには
-CGの場合、まずOOに対して反応する。
-MOの場合、OGとCGのどちらがより強いケースか?を考える
・弱い方のチームを指摘する。- 「CG全然できてないよね」
・強い方のチームのArgumentに照準を定める。
・現状でラウンドがどのような状態にあるかを把握する。争点はどこか?まだ答えられていない質問は何か?→それを答える
-大会における本戦ラウンドの戦略 - 2位を狙え!もし自ベンチのOpening teamに勝てないのであれば、Refutationをしまくって徹底的に相手ベンチを潰し、自ベンチ勝利に持ち込む。 “Defensive Debating”

4. プレパ
-プレパしていた内容をそのままスピーチできることは稀である。
Legalizing Prostitution - 3rd worldと1st worldでは全く違うディベートになる。
-新しい視点を考えるときはWhip Speakerも手伝うべき。
-チーム内で信頼関係を築く - 一瞬で重要な決断をする事を迫られることもある。
-OpeningがすべてのPrincipleを持っていく事は不可能。何か残されているはず。
-鍵となる重要なActorを探し出せ。より深い分析
-Practical - Principleという風にディベートを捉える。分析をより具体化する。あるいは逆に分析をより普遍化する。
-良い分析とは2~3行でまとめられる。簡潔性と明確性が重要。

POIでできることは何か?
-Clarification (What do you mean by…)
-Confirmation (Are you saying that…so are you also saying…)
-もしOpening halfが困っていそうだったら、POIでヒントやアイデアを与えて自分達に優位な方に導くこと

関連ビデオ

その1
その2

Closing: Whip

Whip speechの構成と役割

-Rebuttal

-ExtensionをReconstructして守る。つまり、パートナーのExtensionに対する相手のRebuttalにRebuttalをする。

-Clashes (争点)の整理

・大きなIssueから順に示す。

・Case by case - 柔軟性が必要。

・相手に対するRebuttalや自分のExtensionのReconstructionをIssue/Clashの中に組み込んでも良い。勿論Clashとは別にスピーチの最初にRebuttal, Reconstructionをまとめてやってもよい。

-構成は千差万別

・Whipとして機能していれば(上記3点ができていれば)、スピーチの構成や順序は自分の好きなようにやってよい。

・Whip Speechに正しいやり方はない。

・よく構成されたWhip Speechはジャッジに高く評価される。

どうやってClashを勝つか?
-このラウンドで重要なIssue, Question, Clashesは何かを洗い出す。
・Issue, Clashesが6つや7つもあってはならない。2か3が妥当
・取捨選択―取捨選択の能力がディベ―トの実力である。
-Clashesの優先順位付け
・一番重要だと思うClashはスピーチの頭に持ってくる-最後に持ってくると時間切れになってすべて言えない可能性もある。
・たとえ3つClashがあってもそれぞれの重要度は異なるので時間の配分もそれに応じて変化させる。各Clashに2分ずつというやり方は間違い。
・自分が何を強調したいかによって、そもそもClashesなんてないスピーチになることもありえるが、それでも良い。
-Tactical Concessions (戦略的同意)
・すべてのissueで相手に勝る事はほぼ不可能。
・Even if…の形にもっていき、自分の押しているIssue>相手の押しているIssueを示せば勝てる
・毎回一位をとる必要はない-2位でも良い(勿論一位である事にこした事は無いが)
-Clashesの勝ち方
・相対的になりお互いのArgumentを比較・評価し何故自分達のArgumentの方が優位化を示す。
・相手は~を言いました、それに対して自分達は~をいいました。というような談話形式のスピーチはダメ。

BP Whipの特徴
-自チームがいかにラウンドに貢献したかを強調する。
・Opening Teamの貢献度を正当に評価するべきだが強調してはダメ。
・自チームのExtensionを強調する。
・Clashの中では常に自分のパートナーが言った事を言及し、Engagementを示す。
-相手チームのミスやコントラを指摘する。
・スピーカー順に追ってもよい-”LO said this, DLO said that, but MO said…”
・相手ベンチのチーム内での協力関係の矛盾をつくコントラの指摘は、ベンチ全体への効果的な攻撃となる。
-相手ベンチの強い方のチームを集中的に攻撃する。
・弱いチームに勝っても意味が無い。弱いチームに勝って3位は取れても1位、2位は取れるとは限らない。
・強い方のチームに勝たないと高い順位は狙えない。
・強い方のチームからPOIをとったりするのが重要

まとめ
-明確性
-構成
-強いRebuttal
-自チームの強調

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その1

Strategy

2チーム対抗のAsian/Austral/NAでは結果は勝つか負けるかだが、4チーム対抗のBPは1位から4位までの順位付けでチーム成績が決まる。

ブレイクラウンドに進出するためには必ずしも毎回1位を取る必要はないが、コンスタントに2位以上を取る必要がある場合が多い。

Non-BP: OppがGovにEngageし議論をかみ合わせなければならない。
BP: ディベートが自分から離れていくことがありえる。Govでも自ら積極的にディベートの中心にエンゲージしなければならない。

ジャッジが何を考えているのかを意識する

-大抵の場合、ジャッジは1位と4位を比較的容易に見極められる。
ラウンド中誰が1位かを予想して、そこに勝とうとする。
-Opening Halfが勝つ場合(Opening Debate)
OpeningがすべてのArgumentを持っていく時。以下の場合に起こりやすい。
A. 古典モーション
B. 話が限定された狭いNarrow Debate
C. Openingが強いチーム
-Closing Halfが勝つ場合(Closing Debate)
A. Opening halfでほとんどEngagementがない(Engagement-相手の議論に噛み合わせること)。
B. Openingが最悪なシナリオや極端なケースの話しかしない。この場合Closing極端なケースではなく一般的なケースの話をする。
-Gov bench/Opp benchが勝つ場合(Bench Debate)
同じベンチのOpeningが明らかに優位であれば、Openingの作った土台をベースにして議論を深化させベンチで勝つようにする。
-Diagonalで勝つ場合(Diagonal Debate – OG,CO or OO,CG)
まれに起きる。サイドのバランスが悪いときに起きる。つまり、OG, COがうまく、OO, CGがダメ⇔OO, CGがうまく、 OG, COがダメな時。
OG,COが勝つラウンドを作るには、POIが重要になってくる。
もしあなたがCGでOGのできが悪かったら、Diagonal DebateかClosing Debateを狙うべき。
-Extensionは必ずしもいわゆる”一般的”なArgumentである必要はない。
Linkage, Mechanismの補強、Rebuttal, Response等もextensionにすることができる。
言い方、見せ方を工夫することが重要。

各ポジションの戦略

共通項
-枠組み(framework)を作る
“This Debate is about…”
自分が押したい価値観は常に意識するべき。

OG
-ラウンドの命運を握る、最も強いポジション。
“With Great Power, Comes Great Responsibility” (大いなる力には大いなる責任が伴う)
-良いディベートをつくるのが最大の役割。ディベートの枠組みとGoalが明確、良いDefinitionやModelを全員に提供するなど。
-最も重要で核となるArgumentを言う。
-良い意味で目立たなければならない。
-思いつく全てのArgumentを言うと時間が足りない。従って、選び抜いた重要なArgumentを説明するのと、他のチームとEngageして、常にラウンドと関係性を保つべき。
-OOがEngageなどせず、機能していない場合、ラウンドが噛み合わないとOGも悪い方向に引きずられる可能性がある。そのため、DPMの段階で優先的にCOのPOIを取るなどして、早期にOOを見捨ててCOとEngageしようとするのは戦略上正しい判断。
-Oppに対する「戦略的同意」
Prostitutionの例―PMが規制・取締りの枠組みを話し、LOがこれは道徳的問題だと指摘する。このときDPMはeven if 道徳的問題が重要であったとしても規制・取締りの枠組みによって女性の権利が保障される、という様に相手の議論に同意した上で自分の議論を展開することもできる。

OO
-“Reaction with Direction” - 方向性を持った反応が必要
-Govに反応するだけではなく、最も1位を取りやすいが同時に最も4位を取りやすいポジション。
-反応すると同時にOppの議論の枠組みもセットしなければならない。
-極端なケースに走らず一般的なケースをとる。
-ダメなOGの場合
相手のケース等が不明確ならば、POIで質問。”What do you mean by…?”のような質問は相手が答えられない場合に困るので、”When you say…, do you mean A or B?”の様に相手に答えを選択できるオプションを与える。
-相手の議論をLOで再構築し、良い議論の様にみせかけてから潰す。
-OGがしくじったらジャッジも理解できていないときがほとんど。ジャッジが一番困るのはOOもOGと同じように狂い始める事。

Closing
-ラウンド開始時から積極的にラウンドに関わらなくてはならない。自分のスピーチ前に30分も時間がある。
-ClosingはPOIを通してOpening halfのディベートを自分たちに有利に誘導することができる。Openingにどのような質問や情報をPOIで言うかで、既に勝負は始まっている。
-自分がプレパで準備していたNew Argumentに固執しすぎてはいけない。足りないLogicやReasoningを補完するのも重要。ラウンドを注視して自分に何が求められているのかを把握する。
-MemberはRebuttalに時間を取られすぎないように注意。RebuttalはWhipに任せて自分のArgumentに集中。

1. CG
-4チーム中、最もラウンドをコントロールするのが難しいポジション。OGに強く影響されやすい
-OGを守るか見捨てるかを決断。もしOGに救いようがなかったら見捨てることも出来る。しかしこれではGovベンチで勝つという可能性が低くなるため、OGを守る方が賢明である。また、DefinitionによってはOppのDefinitionにのってOGを見捨てるのもありうる。しかしその際、OGがダメだ、と言ってはならない

2. CO
-ラウンドに最後に出てくるチーム。ラウンドに何か新しい要素を追加するハードルは必然的に上がる。
-New Argumentよりも新しい分析を深めるAnalytical Extensionの方が効果的である。ディベートがNarrowな(ほとんどのArgumentが出尽くされている)時は特にAnalytical Extensionの方が良い。
-POIを利用し、MOのArgumentをラウンドの早い時点で小出しにして、立ち振る舞いやすいようにする。
-RefuteされていないArgumentをRefuteするのは時間の無駄である事が多い。Responseされていないという事は多分重要でないという事。

Team Dynamics(チーム内でのロール)

-固定アプローチ
Leader, Deputyのロールが固定。どっちがどのロールをやるか事前に決まっているため、時間が短縮される。
-固定アプローチの種類
その1―一人がLeaderとWhipを担当、もう一人がDeputyとMemberを担当。
LeaderとWhipは目立てるタイプ。DeputyとMemberは分析型タイプ。
その2―一人がLeaderとMemberを担当、もう一人がDeputyとWhipを担当。
前者はStaticで自分でプレパした内容をしっかり立てられるタイプ。後者はもっとDynamicで相手の話に柔軟に対応し反応できるタイプ。
-柔軟アプローチ―ディベートによってロールを変える

その他

-ジャッジの経験を積むことは重要。
-すべてのArgumentで勝つのではなく、最も重要で大きいArgumentで勝つ。Argumentに優先順位を付けること、戦略的同意をすることは重要。
-どんな時でも何かやるべき事が残されているはず。
-ディベートは相対的。ラウンドで一番弱いチームに勝ってもそれは相対的にみてあなたのチームを強めている事にはならない → 一番強いチームを狙え。
-ダメなチームが1ついたら、3位はほぼ確定。つまり、残りの2チームのうち、1つでも勝てたら2位は狙える、というふうに考えるのも手。
-マナーをあげるコツとして、違うタイプのディベーターと組むことがおすすめ。例えば、落ち着いているタイプと攻撃的なタイプが一緒に組めば印象に残りやすく、マナーの向上に繋がる。特にBPの場合、8人もスピーカーがいることから、覚えられる事が重要。

Adjudication

ジャッジの基本

-Argumentの価値や評価はラウンドによりけりで、普遍的ではない。評価は相対的なもの。

-Speakers point 75点がその大会の平均的なスピーチ。

-75点を基準として、点数を上げ下げする。

-2チームではなく、4チームを比較し相対的に評価するのがBPジャッジの難しいところである。

-自分が持っている固定観念やバイアスは捨ててジャッジする。

-各チームが、どれだけ自分の考えを動かしたかを考える。

ジャッジする際の留意点
-このディベートは何についてのディベートだったか?核となるIssueが何だったか考える
-どのチームが最もラウンドに貢献したか?
自分が核だと思ったIssueをベースに、どのチームが最もそのIssueに関して重要な貢献をしたかを考える。Argumentの数で決めてはならない。
-各チームを比較すること。
-貢献度の計り方(貢献度とは?):
・Argumentの関連性―どれだけArgumentがMain Issueに関する分析だったのか。
・チームとしての機能 - 各ロールを忠実に果たしていたか?つまり、きちんとケースをたてた(OG)、Extensionを出した(CG, CO)など。各ロールの成果がどのようにラウンドに影響を与えたかを説明する必要がある。
・ジャッジは各チームのポジションや、話した順番を考慮に入れてそのチームの良し悪しを判断しなければならない。でないと不公平なBurdenを勝手に負わせてしまう事になる。例えば、CGで強い反論がOOにあっても、OOは反論の余地がなかったという事を考慮しないといけない
-僅差の時の評価基準―Argumentの質、contributionが同じだった場合などどうするか?
・マナーの良さ
・チームとしてのバランス
・POIの数
・その他チーム間を比べることができる基準

Oral Adjudicationに関して
-最初にDecisionを言ってから、次にその理由を説明する。
-理由を説明するとき、チームを比較しながら説明する。
・1位と2位の差について→2位と3位の差について→3位と4位の差について。。。と説明
・(ランキングがこれでない限り)OG→OO→CG→COの順で説明しないこと。ディベーターにとってはわかりにくい。
-Decisionの理由は、ディベートに即していないといけない。
・例えば、”CG gave superior analysis”ではなく、”On the issue of X, CG was superior to Y because of….”
-DecisionとFeedbackは分けて説明。混合しない。
・最初にDecisionに至った理由を説明してから、その後改善点を説明するとわかりやすい。

関連ビデオ

その1
その2
Koc Worlds Adjudication Briefing: Part 1 Part 2

POIs

POIのやるべきこと/やらないべきこと

-KISS (Keep It Simple Stupid)
-明確・簡潔に
15秒以内で言い切れなければ悪いPOIです。また、自分の豊富な語彙力を見せびらかす場でもありません。
-十分にPOIを取り・与える
POIを1つのみとると、ラウンドによっては相手に十分Engageしていないとジャッジに判断される可能性があるため、2つ取るのが推奨される。
-紳士的に
失礼のないように。
-口ごもったりしない
冷静に落ち着きましょう。
-パートナーとPOIを共有する
紙に書かないと忘れます。
-パートナーの時言われたPOIの内容にも責任をもつ

POIの種類

-Question of Clarification
相手のDefinitionやModelが不明確なとき。
-Question of Expansion
相手のケースはUniqueか?他の事例にも当てはまらないか?
-Leading Question (if then/either or) 誘導尋問
一つのやり方として、強制的にある答えを答えさせる。相手が”every”などの単語を使ったとき、”Are you saying that even in cases like…what you say is true?”→相手はeveryと言った以上Noと言いずらい。
また、相手に複数の選択肢を用意するのも別の手。

POIに対する答えが分からないときどうするか

-Sarah Palinのような返しはよくない
質問を質問で返さない。
-正直に分からないと認めても、相手に同意してはダメ
-逆に自分が知っている事実を再度ジャッジに伝える
自分が何を喋っていたかに集中する。
-その他のオプション
その質問の妥当性を考える。相手の話している状況はそもそも自分の話している状況と関係あるのか?

POIの戦略的Dynamics

Opening TeamsによるPOIの使用方法
-ラウンドの前半で出てきたArgumentをジャッジに再認識させる。
ラウンドを自分が話したIssueにもどす。
-ClosingのExtensionを探る
ClosingがPOIでExtensionらしき事に関する内容に触れたら、言うこと。
-ラウンドの再設定。
ラウンドを自分が話した内容・設定に押し戻す
-後半の議論に積極的に関与する。
-Closing halfでコントラがないか注視する。
OpeningとClosingの一貫性の崩れは致命的。
やりかたとして、”Opening said ~; what do you think about this?”がある。

Closing TeamsによるPOIの使用方法
-Opening teamにあるスタンスや設定を強制する。
PMに対して: Definitionの領域を決めさせるOpeningのスタンスを明確にさせる。
-OpeningにBurden(論証責任)をつくる。
-自分の準備しているExtensionとのLinkageをつくる。
OpeningにExtensionがバレないように巧妙に聞く。
-戦略的に強いチームと積極的にEngageする。
あなたはCO で、OG良い、OOとCGダメ- OGと積極的にPOIのやり取りをする。

PM
-必ずOOから1つとる - 相手がClarificationを求めている場合がある。もしOOが自分たちのアプローチを勘違いしたら、OOから良いEngageがなされず自分達も引きずられる可能性がある。
-OOからとることでOOのアプローチやArgumentが分かる場合がある。そうすればPMの時点から相手とClashできる。さらに、DPMが相手のRefuteの準備をすることができる。

LO
-OpeningとClosingから一個ずつ取るのが最適。OGが自分達のアプローチに対してどう思うかを知る事も重要であると同時にClosingとEngageし始めるのも重要。

DPM
-OpeningよりClosingから取るのが良い。相手のExtensionを暴けるかもしれない。もしPMがPOIを1つしか取らなかったら、無視された方のチームのPOIを取るのが良い。

DLO
-もしClosingが今までExtensionを隠していたらここら辺から出してくるのでClosingとEngageし始めることが重要。
-現段階でもうスピーチする機会のないOGのPOIに対して、しっかり反応することができれば相対的に評価が上がるので、敢えてとることも戦略の一つ

MG
-COからのPOIで相手のExtensionが分かるかもしれないしClosing同士でEngageし始めるにはClosingからのPOIを優先させた方が良い。またWhipに相手からの情報を与え、Extensionを守る準備をすることができる。
-Openingの内容にRefuteしているときはOpeningとEngageしているので、OpeningからPOIをとって、ケースを守るチャンスを与えた方がいい。

MO
-これ以上コンストがないので、最もディベートが起こっている(議論の中心にいる)チームとのPOIを取る事が最優先。

まとめ

-POIを利用し常にラウンドの中心に存在感を示すのが重要。
-BPにおいてPOIはより戦略的な要素が強い。Closingにとっては自分達の存在をラウンドの早期から示すことができ、Openingにとっては逆にラウンドの後半になって自分達の存在を忘れられないようにすることができる。

少人数での練習法

BPの大会に向けての練習は、8人集まらなくても、様々な方法があります。以下、いくつか紹介します。

もちろん、8人+ジャッジを集めるのがベストな方法ですが、人数が少なくてもBPの練習は可能です。

1. Ironman
4人でBPを行う方法です。
2人ずつに分かれ、OGとOOを決めます。
15分プレパを行い、Opening Halfの4つのスピーチ(PM, LO, DPM, DLO)を通常通りに行います。
Openingが終ったら、一旦ラウンドを中断し、OGのチームがCO、OOのチームがCGとそれぞれ役割を変えます(もちろんOG→CG、OO→COでも構いません)。
その後、10分の追加プレパを行い、プレパ終了後Closing Halfからディベートを再開します(MG, MO, GW, OW)。
1ラウンドで1人2回スピーチを行うので、かなりの練習になります。

2. BPラウンドの時間を短縮
Ironmanと同様、4人で行う練習方法です。
スピーチ時間4分(もしくは5分)で、1人1つのチーム内の2つのスピーチを担当する方法です。すなわち、1人がOGのPM, DPM、1人がOOのLO, DLO、1人がCGのMG, GW、1人がCOのMO, OWを行います。
Ironmanと比べて時間は比較的とられないのと、初心者にとって易しい練習方法です。

ビデオ

BPセミナーのビデオ

10/11 BP入門 使用されたハンドアウト
11/13 モデルディベート (Motion: THW allow child labor in the developing world.)
BP Novice 2010 Briefing

その他

Parlidebate.com
Loganimal on blip.tv
Debate Video 1
Debate Video 2