代表挨拶

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2024年度

対話と信頼の構築 ー次の四半世紀に向けてー

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2度の学生世界大会で優勝したBo Seo氏の著書に「ぼくたちディベーターは相手にマイクを渡す。この信頼の行為なしに対話は成立しないからだ」という文章があります。 一見当たり前のことのように聞こえますが、残念ながら日本の社会風潮はこの主張と相反する方向に進んでいます。いまや「ディベートは論破すること」という誤った認識が広がり、残念ながら、競技や活動に対して懐疑的な見方が浸透してしまっています。 ディベーターは、論破という言葉を嫌います。一方的にファクトを突きつけたり、相手の意見を聞き入れる隙を与えなかったりするものは、ディベートでは積極的に拒まれるものです。 競技ディベートとは「ルールが設けられた競技であり、説得力を競い合うことを目的」としています。「主張を伝える力」を鍛え「説得力」を競い合うことが、ディベートであることを忘れてはなりません。このことを念頭に、JPDUが競技支援や普及活動に努める理由は3つあります。 1つ目は、対話の重要性です。現代社会における「ディベート」は、お互いの不信感から引き延ばされた言葉の暴投合戦であり、頭を働かしている対話ができていません。JPDUで取り入れているパーラメンタリーディベートは、即興型であることから論理が重要視されています。頭を使って議論を重ね、信頼関係を構築することで、質の高い対話につなげることができます。 2つ目は、人のつながりです。さまざまな社会問題を抱えている現代社会において、話題を議論できる仲間を作ることは非常に大切です。ディベートコミュニティには、多様な経歴と人材が集まっており、時には真剣に議論をして、終わればノーサイドの精神で仲を深め合います。 3つ目は、JPDUが持つ歴史と伝統です。1998年に設立されたJPDUは、新たな四半世紀を迎えています。活動の意義がなければ、これほど長く歴史が続くことはありません。時代が加速するにつれて、対話や議論の重要性が増しており、だからこそ競技ディベートの意義があるのだと考えています。 皆さんも、今日からディベート活動に取り組んでみませんか。

2024年度JPDU代表
早稲田大学 政治経済学部 3年
木村 勇翔

2023年度

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